アルバム感想(温)

My Favorite Music

2022年音楽まとめ

2022年のベストアルバムはここ!!!!

 

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2022年ベストソング

Ólafur Arnalds - "Loom (Sunrise Session II)"

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もうこのブログ上で何回も言ってて恐縮なのだけど、この世で最も嬉しいこと・幸せなことが何か考えるときは、この世で最もツラいこと・苦しいこと・しんどいこと・悲しいのことの対極を考えればいい気がする。私にとって最もツラいのは、多分死に対する恐怖。それは強盗犯とかに安全装置の解除された銃を突き付けられるとかもそうなのだけど、それ以外にも、例えば社会的にも精神的にも自立していない子どものとき、両親からの支援がないと生きていけない子どものとき、母親と父親の喧嘩を目撃するようなこととかもそう。自分の中のかけがえのない二人の味方が敵対して、自分の中で心が真っ二つに割れる感覚のような、そういった精神的な傷によるものも大いに含めた、死への恐怖。それは親の喧嘩の例を持ってきて考えるのなら、自己の人格を根本的に拒絶されるようなものは全部死に対する恐怖である気がする。だから私は、そういった人格否定含めた死の恐怖の対極なもの、「大丈夫」とか「まだ生きてていい」とかいう安心、心の中が満たされること、"死んでもいい"とすら思えてしまうそういった安らぎの類の全般が、この世で最も幸せなことの一つなのだろうと思う。

音楽の感情的な作用は、心の存在を自覚させる。「自分は心を持っているんだ」ということを認識させる。それは「私はまだ生きてる」の「大丈夫」という安心の、絶対的な確信に繋がる事実だと思う。もちろん結局は個人がどれだけ信じるかだから、音楽が全人類に対して効力を持っているとは思わないけど、逆にそれを信じられれば信じられるほど安らぎは強くなるはず。だから、音楽の感情的な作用が信じられるような、もっと信じたいと思うようなもの、例えば神秘的であればあるほど、例えば美しければ美しいほど、その"音楽による命の実感"というのは巨大な安らぎになるのだと思う。Ólafur Arnaldsのこのライブ音源は、オーケストラであることの生音のリアルな生命力と、アイスランド的作家性の清澄な音景のメロディーと、ホールの音響的による僅かな静寂の余韻と、全てにおいて、その音楽の感情的な作用を、「もっと信じたい」と思うものだった。

Loomは旋律のフレーズの形があまりにも美しいと思う。階段状の形が四つに浮遊しながら、ワルツのような円形の上昇を見せるフレーズ。それは波のようにとても自然的な存在で、だけど豊かな表情を想起させる多様な変色も持っている感じがする。小節ごとに喜怒哀楽を見せるように、何度も何度も僅かな感情の変化を表す。それらがダイナミクスを移し、楽器のキャラクターを交換し、バッキングによる背景的なところまで違いを生み出していく。Loomはもともとエレクトロニカ仕立てのトラックだったはずだけど、個人的にこのフレーズはオーケストレーションが本当に嬉しい。耳を使う範囲がとても広い曲で、僅かな変化をここまで深く堪能できる。フレーズそのものの自然的で人間的なところも生音が似合ってる。もともとLoomがバチバチに名曲なわけだけど、オーケストラ再現の生音版であるこのLoomは、私に響く威力的なところがもはや格が絶大だった。

音楽で自分の命をもっと感じたい。感情的な作用によって自分の心をもっと信じたい。そんな中アイスランド音楽特有のクリアネスは、私の心の穢れを払うような浄化の影響を持っている。音を受けることに、体内にあるものを剝き出しにする透明化まで感じる。Ólafur Arnaldsの出す全ての音に魅せられるけど、この曲のフレーズはその他とは異なっていた。あまりにも、あまりにも美しいと思う。フレーズを堪能して、透明化を感じて、自分の心のことをうんと信じる。これほどの安らぎが果たして本当にありえるだろうか。そう思いながら映像としてライブを観て、窓の外の海と、街と、スタジオの空間と、全て一体にしたそのフレーズを得て、全て真実なのだと認識する。涙がボロボロ止まらなくなる。2022年のベストソングは、私の中でこれだと思う。

ちなみに余談なのだけど、この音源がリリースされたのは4月の中旬で、GW連休のときも私は彼のこの曲ばかり再生していた。その頃ちょうど恵比寿でミューンが一週間限定で先行上映されたタイミングで。私にとって、5月頭の、恵比寿の東京都写真美術館と、雨模様の空と、ミューンの物語と、Ólafur Arnaldsのこの作品が脳内で一貫して結びついていた。2022年も思い出がモリモリすぎてたけど、この思い出が1番かもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2022年ベストライブ

Black Country, New Road - Turbines/Pigs [FUJIROCK] LIVE 2022

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