「2020年11月ベストアルバムTOP10」感想
今月は、Emily A. Sprague、Elskavon & John Hayes、Ólafur Arnaldsなど、アンビエントの良作が多かったイメージ...。先月同様ランキングを作るのがウルトラハイパー難しかった。
今月のベストアルバムTOP10の感想をランキングで
(上位2つがほんとのほんとにぶっちぎりのダブル1位(T_T)(T_T)(T_T))
10. Woodes - "Crystal Ball"
クリスマスシーズンに降臨するインディーポップの騎士
Huntly、Kllo、Lastling...オーストラリアのエレポップってみな大好きなのだけど、そこに新しくWoodesの本作も追加された...。私の中ではオーストラリア(メルボルン)版のAURORAみたいな位置付けなのだけど、 Aries、fusq、その他私がめちゃめちゃ大ファンのDE DE MOUSEみたいなピュアすぎるサウンドを多く含んでいたり、それらのファンタジックなパフォーマンスに富んだ良質なポップス作品だった。例えばタイトルトラックのCrystal Ball (M2)。ストリングスのピッチカートのような愛おしい音色、それらが可憐に弾んでいく旋律、ファンタジーの世界がどんどん構築されていく。まるでディズニー映画のようにピュアネスが徹底された世界観を持っていて思わずめちゃキュンキュンする 笑。キュンキュンという点だと、フルートが幸せそうに踊るClose (M4)なんかもとてもいい。最近は気づかぬ内にクリスマスシーズン専用のプレイリストを作るくらいにはクリスマスンソングに飢えていたのだけど、Woodesのこれらの曲はどちらもクリスマスシーズンに本当によく似合うと思う。今年はコロナでとても酷い目に合い、クリスマスも100%楽しめないような状況になってしまっているけど、そん中でもウルトラスーパー素敵でロマンチックな曲を見つけられて嬉しいです...笑。
内容的にも最高だけど、それ以上かなと思うくらいジャケットも強烈に最高...。なんだこの超かっこいいナイトの姿は、、、。鎧から剣までめちゃ本格的で仮想がめっちゃ楽しそう 笑。(私も着たい)
↑最初に綴ったオーストラリアのインディーポップバンド、他にも「LEYYAもめちゃ大好き!」、って書こうとしたらあれはオーストリアだった 笑。だって、これすごくオーストラリアっぽくない???笑。(めちゃ紛らわしい)
9. Tom Vek - "New Symbols"
Car Seat Headrestのドラムが超かっこいいバージョン
Kluster Bの感想のときにも言ったけど、オルタネイティブロックならではの歌うように奏でられるドラムって本当に最高だと思う。私のオールタイムベストアーティストでいうところのBroken Social Scene, Death Cab For Cutie, あと個人的にやばいところだとGang Gang Dance (Eye Contact)...。それは、言うなればリズムワークの根本的な部分からロックの迫力を豊かにデザインしていくような演出。特殊なノリを作り出して音楽をさらにモチベートしていくようなとても美味しいパートだと思うのだけど、Tom Vekの今作はそのドラムの美味しさがとてもよく表れてる作品だと思う。4拍子と3拍子を織り交ぜてフレージングしていく最高のおもしろさがあるSurvive (M1)、ヘビーでパンチの効いたビートを思い切り叩きこんでいくようなGuilty Pleasure (M2)、シェイク系のリズムパターンがとてもクールに決まっていくSlippery Fish (M3)、そしてテクニカルなかっこよさを魅せまくるようなラストのFountains Spit Your Name (M8)...。どれもドラムのよさが曲の中で維持されるような構造になってると思うのだけど、一つ一つTom Vekのお気に入りのグルーヴなんだなというのが伝わってくる。2020年、私の中でSecret Drum Bandに続くドラム部門の優秀賞作品。
もちろん、ドラム以外の点も含め総合的に見て最高!笑。特に全体を通じてライドみたいに鬼かっこいいギタープレイが本当に素晴らしいと思う。代表的なところだと、冒頭のSurvive (M1)とかがそう。4拍子と3拍子の中でミニマルに組立られるスライドのギターが本当にはちゃめちゃにかっこいい。めっちゃUKロックの旨味がのってるサウンドだと思う。そのギターがTom Vekの最高のドラムと合体されるわけだから、それはそれはもう大変素晴らしいよね...笑。ラストのFountains Spit Your Nameのギターも同様に素晴らしい。長尺ソングの中でそれらの美味しさがずっと続いてくところがいいんだよね。
今作でTom Vekのこと初めて知ったのだけど、なんか雰囲気がCar Seat Headrestっぽいなと思った。(曲調というよりかはアーティストのキャラクター的に)
8. Emily A. Sprague - "Hill, Flower, Fog"
音の振動の繊細な部分にまで命が宿る
Floristとしての前作Emily Alone (2019)では、孤独の世界の中で生きるシビアな感情と生々しく対面し、その過程でありのままの自分と向き合い、全ての自然環境の恩恵を享受するような境地にまで至る凄まじい傑作だったと思う。その前のWater Memory / Mount Visionなどのアンビエント作品も同様に、Emily A. Spragueという人物が捉える多自然的な幻想の世界は、どれも創造性が豊かで本当に素晴らしい。そんなEmilyのアンビエントの3作品目の今作は、もっと不思議で、リスナーの精神が超自然的な次元にまで転移されてしまうようなインパクトの強い作品になってると思う。リコーダーの音色とオルガンの音色の中間領域を実現するような繊細でマジカルなシンセ、そのサウンドが残響を持ちながらリフレインし、空間中に溶け込んで実世界を犯していく。空間中に馴染むまで長時間存在し続けた後、まるで時が止まったかのような現実世界の超越を見せてくれるのが本当に素晴らしい。繊細性を高めるサウンドメイキングから残響のチューニングまで全部が本当に最高で、リスナーに強い幻覚症状を与えるほどの完成度だと思う。アンビエントの醍醐味がとても詰まってる、聴けば聴くほど大好きになるようなアルバム。
6曲収録されてる内、私の最もお気に入りなトラックが4曲目のWoven。音の振動の繊細な部分にまで命が宿るような低音の衝撃。このサウンドが静寂・平穏のアンビエントの世界で僅かなアクセントになっているところがたまらない。曲想的にもとても暖かいものがあり、本当に心が満たされまくる。エレクトロニックハープという新サウンドも制作してしまうサウンドアーティストとしての腕も見せまくってる。本当にめちゃ最高の曲だと思う。
他にも、止まっている心臓が動き始めるような熱の伝達があるRain (M5)とかもめちゃ好きだった。マジカルなだけでなく、繊細なところがやっぱりすごくいい。今年3月の来日公演が潰れてしまったけど、ライブ必ずや観たいぞという意思はとても強くなりました(願)。
7. Kevin & The Bikes - "Ironic Songs"
ユニークで最高におもしろいノイズロック
Empty CountryやThe War On The Drugsのように、フォーク・カントリーのルーツを持ったタイプのロックンロール。けどKevin & The Bikesの今作の場合、それらのフォーク系のテイストが行き過ぎてしまうようなめちゃめちゃ過激なロックなのが特徴的だと思う 笑。状態的にはNeutral Milk Hotelにも近いところがあると思うのだけど、ノイジーでギラギラしてて本当に楽しい。また、それらの荒々しいロックの印象と同時に、素朴で大人しいフォークロックの面影もちゃんと持っていて、それらが入り混じるような先の読めない自由な発想もある。リスナーの心を掴むようなおもしろいメロディーをいくつも用意してるし、感情をユニークに発散するオルタネイティブロックとして本当に名作だと思う。Intellectual Bean-Spill (M1), Turbulence (M4), Salamia (M9)の3曲がすごくいい。
まずは1曲目のIntellectual Bean-Spill、メランコリックで素敵な感情を抱えながら真っ直ぐ突き進んでいくようなドライブ感のある曲、ギターとドラムが互いに重ね合わさるようなパッセージが本当にすごくかっこいい。4曲目のTurbulenceは、ポジティブなフィーリングの強いギターポップの感じ。表面の細部までギターがめっちゃギラついてて、通常のギターポップには出せないホットなエモーションがよく描かれている。1曲目・4曲目、どちらも高ぶる感情をノイジーに荒々しくぶつけていく曲で本当にとても最高。
9曲目のSalamiaも物凄く素晴らしい。ノイジーなギターの楽しさだけでなく、ドリーミーな安らぎとシューゲイザー系の感動も提供してくれる曲。5曲目のMy Marrowや7曲目のGod's Orientationで印象的だったような素朴で大人しいフォークの世界観よりももっと壮大でドラマチック。音圧も激しくて感動が倍増されまくるから涙腺がめっちゃ刺激される。ラスト曲として本当にふさわしいと思う。
フォークロックが行き過ぎてめちゃめちゃロックになるタイプの作風のやつ、私的にはCult Of Youthの2014年作なんかも少し連想した。(←好き)
6. ROBERT HOOD - "Mirror Man"
笑いが止まらなくなるくらいかっこいいデトロイトテクノ
ジャケットちょっとダサいかな?とか思ってたら中身めちゃめちゃかっこよくてお腹痛くなるくらい笑った 笑。デトロイトテクノ1時間超えコースのクラブミュージックすぎる作品のやつ。1曲目のイントロを経て2曲目のNothing Stops Detroitから本格的にそれが始まるけど、攻め方というか、フロアの盛り上げ方、リスナーの感情の高め方がすごく上手だと思う。3曲目のFear Notでは、暗黒面の世界に堕ちていくように危険なゾーンに入りこんでいく。ミニマルテクノのアプローチによる増幅効果で集中力を上げまくるエネルギーがあると思うのだけど、それらを途中からさらに強力にさせてしまうような低音のブーストが本当にやばすぎる...。ほんと、アドレナリンがドバドバ出てしまうほどの強烈な興奮。思わず「か、か、かっこいい、、、泣」みたいになる 笑。4曲目のBlack Mirroなんかだと、ニューエイジ・エクスペリメンタル系のアート性もあったり。謎めきの強い奇怪な怖さも持ってて、アルバムのダークな印象がより濃くなってる。怖さという点だと、7曲目の間奏トラックであるFreezeも本当にやばい。身の毛もよだつようなホラー系の強弱手法、アルバムに対するリスナーのゾクゾクがめちゃめちゃ煽られる。(これTNGHTのEasy Easyみたい。)
1時間休むことなく最高なアルバムだけど、その中で一番キターー!!ってなるのがラストのThe Cure (M14)。低音のブースト、変則的なクラップも交えていく複合型のリズム、ダークなデトロイトテクノをよりかっこよくおもしろく魅せるようなアイディアが盛りだくさんで本当に素晴らしい。約7分の曲の中で音の立体感が不規則に変化していくから本当に全然飽きない。もうほんと、バカみたいにかっこよかった、、、笑。
他にも、反響しまくるサウンドがめちゃ楽しいIgnite a War (M11)やPrism (M12)などもとてもよかった。今月、Charles Webster、Dan Kye、Off The Medsなど、ブラックミュージックのテクノハウス作品どれもよかった。
5. Elskavon & John Hayes - "Du Nord"
殺人級の美しさ
サントラ系のアンビエント作品が持つ無限大の想像って本当に最高だと思う。それはまるで、各々リスナーだけに構築される特別でとっておきの物語。Elskavon & John Hayesの今作の場合、Bing & Ruthのような音響芸術、Nils Frahmのようなポストクラシカルのサウンド、イマジネーションを深く美しく創造していく豊かさがめちゃめちゃあるところがすごく素晴らしい。オープニングのVermilion (M1)では、ダンサブルで情熱的な興奮を喚起させるような演出があって、ドラマチックな展開に期待するような高揚感が表現されてる。ここの導入部でもう完全に心を掴まれてしまうのだけど、そこから2曲目のItascaで田園風景のような自然的な世界を見せてくれたり、3曲目のRefrostで思い馳せるドリーミーなポストクラシカルの世界に導いてくれたり、本当にたくさんの想像が駆り立てられていく。音響を重視したピアノのサウンドが常にものすごく綺麗だから、駆り立てられる想像の世界の一つ一つがとても高級になるのがすごくいい。最近愛用していたヘッドホンが壊れてしまい、7万円相当の新しいものを購入したのだけど、それもあってか、初めて聴いたときは音が綺麗すぎてやばくて本当にびっくりした。ものすごく奥行が深くて、音楽の空間がとても広い設計になってると思う。
音響芸術、ポストクラシカル、至高のピアノサウンド、それらのよさを1曲で爆発させているのが4曲目のL'etoile、本当に殺人級に美しい曲だと思う。鍵盤の感触のとても繊細なところまで行き渡るほど研ぎ澄まされた音響の世界。その中で生じる胸を引き裂くほどにエモーショナルな和音。『星』というタイトルの曲で、これほどまでに打ちのめされてしまう曲は今までになかった。自分の中で大切にしている思い出を回想しながら聴いたら、魂が消滅しそうになるくらい感動した。涙腺がおかしくなって涙が止まらなくなるほどやられた。本当に恐ろしいくらい素晴らしい曲だと思う。
ダークめのエレクトロニカとして目立ってるDu Nord (M8)もとてもよかった。こちらはTim Heckerっぽい重さ・迫力があってすごくかっこいい曲。本作は
4. Dirty Projectors - "5EPs"
リードトラック密度がすごい
音楽の響きをもっと特別なものにするエキセントリックでタレンティッドなバンドのEPシリーズが完結...!フロントマンのDavidを筆頭に、マルチプレイヤーなメンバーそれぞれの個性が発揮されまくった名曲だらけのアルバムになってると思う。ボサノバ系のリラックス特性にMaia Friedmanのボーカルがこれ以上ないくらいフィットするOverload、女子メンバー3人のハイトーン和声が本当に素晴らしぎてやばいLose Your Love、シンプルなフォークソングのスタイルで心に深く残るエモーションを完成させたHoly Mackerel
Dirty Projectorsは、
3. Cuushe - "Waken"
ドリームポップ&クラブミュージックの素敵すぎるダブルパンチ
ときめきが止まらなくなるほど綺麗で素敵なドリームポップ~エレポップのやつ、コスチュームが干してあるみたいな洗濯物ジャケの世界観そっくりそのままで、晴天をもたらすようなシャイニーなフィーリングや、ふわふわでモフモフした質感の音像をたくさん所持してる。さらには、音楽のセンセーショナルな部分を高めるようなピアノのキャラクターもすごく利いてたり、ボーカルも青葉市子のような日本人特有のソフトな声質でとても優しかったり。ドリームポップならではの透明感や開放的なエモーションが極められてる最高の作品だと思う。1曲目のHold Halfからその音楽性がパワフルに繰り広げててとてもやばい。音が本当にクリーンで天に昇りそうなほど綺麗。
Cuusheの今作のすごいところは、そういった綺麗で素敵なドリームポップの音楽性に、クラブミュージックのクールさを取り入れてるところ。こんなに はちゃめちゃにかっこいいドリームポップの作品は今まで聴いたことない 笑。代表的なところだとやっぱり3曲目のEmergence。開放的な1曲目のHold Halfが嘘みたいになるほどダンサブルで強力なエネルギーがある曲。Kelly Lee Owensにも負けないくらいバチバチに本格的なハウスで、Hold Halfとのギャップがめちゃめちゃ出てると思う 笑。4曲目のNot to Blameも細かいビートが刻まれるテクノで鳥肌が止まらない。そんなクラブミュージック系のクールな楽曲の中でも、表情的にはやっぱりドリームポップなものを持っているから、どの曲も開放的な気持ちよさは絶大。特にDrip (M6)なんかは、そのドリームポップ性とクラブミュージック性のよさがどちらも最大に表れてる曲だと思う。ドリームポップもクラブミュージックも本当に大好きなので、それらのツボをダブルでパンチされるようなDripには本当にグッときた...笑。
ラストのSpread (M8)も本当に傑作。こちらはPurity Ringのようなふくよかで豊かなグルーヴを持った曲。開放的なドリームポップの感動をエレクトロシューゲイザーのような大規模なスケールで奏でてるのが本当にたまらない。ファルセットの透き通ったコーラスも一つ一つに心を掴まれる。6分間の長尺トラックだけど、本当にずっとサウンドが素晴らしかった。
前にも言ったけど、本作は冬の朝に超超超ぴったりな作品だと思う。澄んでいてクリアな空気、透明感、そして真っ白で気持ちいいフィーリング。可能なら雪が積もった休日の朝とかに聴きまくりたい。東京に引っ越してきてから雪が降るのを楽しみにしてるけど、そのとき用のBGMとしてCuusheをスタンバイしとく...笑。
2. Hypoluxo - "Hypoluxo"
ポストパンクの幸せ
今が2020年であること思い出せなくなるくらい、70s~80sの時代にのめり込んでトリップするポストパンクのワールド。光沢のあるギター、短く切るようにして強く歌うボーカル、タイトなリズム、それらのチープでコンパクトにまとまったサウンド...。"元祖ポストパンク" みたいにものすごくトラディショナルだと思うのだけど、イギリス~労働階級~冷戦~不況など、様々なニュアンス・世界観を忠実に投影し、その中で自分たちの怒り・不満を吐き出すパンクミュージックへ夢中になっている。もともと私ポストパンクのことが大好きというのもあるけれど、Hypoluxoの今作は時代や文化をリアルに切り取るような芸術性がとても素晴らしいと思う。何より、この作品みたいに音楽の中で世界がひっくり返されていく(時代を越えていく)ような感覚が本当に大好きでたまらない。今年だと、6月にリリースしたド直球ロックンロールのSports Teamみたいに、古き良き時代のパンク・ロックを再現する作品ってあると思うけど、Hypoluxoの今作はその中でも再現率の高いもっとマニアックな作品だと思った。モノクロのメンバージャケの雰囲気もさながらにとてもとても最高。
私が今作で最も感激し、ベタベタに惚れまくったところは、Matthew Hershoff (ジャケ写右) の作り出すリードギターのメロディー。ポストパンクのギターならではのクールな印象と、そのイメージに少し反するような明るい表情の両方を持った特徴的なサウンド。それは、今までのポストパンクにはないような感情豊かな幸せ。パンクミュージックへの憧れ・ロマンを込めるようなハートが溢れまくってて本当にやられた。最初から最後までずっとその幸せが鳴り響いてる。サウンドメイキング的にもやっぱり超本格的で本当に楽しい。特にSelf Meyersのギターには本当に驚いた...「ギターが好きすぎる」という理由だけでこんなに泣いちゃうなんて...。
ポストパンクの申し子でお馴染みのFontaines D.C.も最高だった2020年、他にもThe Wants, The Homesickなど、私の中でポストパンクが次々に来てる。ベストアルバムのランキング作るのが趣味なのだけど、Fontaines D.C.もThe Homesickも傑作すぎて優劣付け難い、、、(悩)
1. Mamalarky - "Mamalarky"
無敵のハピネス
ガレージ・ローファイならではの飾り気のないカジュアルなスタイルを活かして、純粋無垢の能天気なハピネスを生成しまくるようなロック&ポップス。元気いっぱいに飛び出していくようなロックから、のどかで落ち着いたブルージーなポップス(You Make Me Smile (M2))、さらには胸がいっぱいになるほど美しくてたまらないバラードまで、本当に幅広いタイプの曲を兼ね備えてる。それらの音楽性が全て、ハンドメイドのカーペットみたいなジャケの中にいる謎キャラの精神状態とコネクトして、能天気なハピネスをどこまでも最強にさせてるのが本当にやばい 笑。マジで、全てを無に帰すほど無敵のハピネスが表れてると思う。ほんと、このジャケのような精神状態で日々を暮らしたい、、。ジャケットによって音楽のハピネスを高めていく他の例だとAnna MeredithのVarmintsとかがあると思うけど、こういう能天気でピュアな音楽ってマジで大好きすぎる。そういう風に、ガレージ・ローファイなMamalarkyの音楽性を、最高にハッピーなアルバムアートワークに適合させたコンセプト的な部分でもう100点満点の作品だと思う。
実際に収録されてる曲も本当に本当に最高...。可愛くハジけるガレージロックFurry (M1)とか、Crumbのようなジャジーでサイケなドラッグ作用さえもあるCosine (M4)とか、全曲がほんとに最高水準の素晴らしさ。その中でも、Big TroubleからAlmighty Heatまでの5, 6, 7曲目の流れが完璧すぎてる。Big Troubleは本作で1番グルーヴィーな曲。大きくウェーブするベースとアナログシンセ、そこにハマっていくギターのアクセント、ロックの曲としてとても完成されてると思う。この曲だけ原型が壊れるほどローファイの効かせ方も強烈で、楽しさレベルもめちゃめちゃ高い。この曲でMamalarkyというバンドの最高さを確信できた。
そして、Mamalarkyらしいジャジーな特性が強く表れたHero (M6)も格別にやばい。体が制御不能になって強制的に動いちゃうくらいグルーヴがゆらゆらがしてる。あまりにも心地いいからほっぺたの筋肉がおかしくなるくらいニヤニヤした 笑。会社のお昼休憩中に聴いてたら体の揺れが止まんなくなっちゃって大分恥ずかしい思いをするくらい...。フロントマンのLivvy Bennettのフルアコースティックギターのキャラクターがほんとに魅力的な曲だと思う。
その後に訪れる美メロが極めに極められたAlmighty Heatも頭おかしいくらい最高。。。能天気なローファイのサウンドが持つ暖かさでここまで泣かされることなんて考えられなかった。テロテロに溶けてしまうような恍惚の美メロを持ってる曲ってたくさんあると思うけど、その中でもMamalarkyのこの曲は頭一つ飛び抜けてると思う。5曲目のBig Trouble, 6曲目のHeroからのコンビネーションもやばいし、この曲が決定打となってMamalarkyの大大大大ファンになった。そして当初1位予定だったHypoluxoよりも順位が上になっちゃった 笑。
今作は、ガレージ・ローファイのポテンシャルを余すことなく発揮しためちゃめちゃ最高なロック&ポップス作品だったと思う。音楽性もジャケもテーマ的にも私のツボがえぐられまくる。冗談抜きで今年のベストアルバムのTOP5でもいいくらい。
あとがき
★プレイリスト
Apple Music ↓
温の「2020年11月ベストアルバム(温)」をApple Musicで
Spotify ↓
★その他・とてもよかったもの
Charles Webster - "Decision Time"
Dan Kye - "Small Moments"
Hachiku - "I'll Probably Be Asleep"
King Gizzard & The Lizard Wizard - "K.G."
Madisenxoxo - "Plead No Contest - EP"
Off The Meds - "Off The Meds"
Ólafur Arnalds - "some kind of peace"
Routine (Annie Truscott & Jay Som) - "And Other Things - EP"
Tiña - "Positive Mental Health Music"
Told Slant - "Point the Flashlight and Walk"
★11月20日リリースされた新譜 感想
12月はSigur Rósの新譜(必修科目)